織田流煎茶道/吉原南波/非売品/流の点前を後世に遺すためにも1冊に纏め書き記すことにした/割りげいこ・点前編・一般作法・茶道の知識

商品説明
織田流煎茶道/吉原南波/非売品/流の点前を後世に遺すためにも1冊に纏め書き記すことにした/割りげいこ・点前編・一般作法・茶道の知識

昭和57年 153P 非売品 部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。

いつからか、教書があればというみなさまからの要望にこたえなければならないと考えつつ、ついのびのびになっていましたが、ようやく一つのまとまりを見ることができました。これによって点前の忘れていたことを思い出すなど、何かのお役に立てば何よりと思います。また、けいこの日の浅い人々のために、少しでも参考になれば嬉しいと思います。

お茶は、ただ順序だけ、形だけ知っているのみではなく、その間にふくまれた精神を感じとることがたいせつだと思います。 千利休は、茶道の精神を「和敬清寂」であると教えています。この四項目が点前の中に全部ふくまれているのです。そのことをじっくりかみしめながらけいこすれば、知らず知らずのうちに心の修養になるわけですから、お互いに勉強することにいたしましょう。

けいこは、理屈なしに練習の回数を重ねることが秘訣です。また、けいこをするときは、何も考えずに、すなわち無我の境になることです。これは禅から来ているのだと思いますが、その証拠にちょっと心をそらして他のことを考えたりすると、必ず点前を間違えます。これはどなたも経験することだと思いますが、不思議なものです。

「茶道は処世上の修養として、人格を涵養する教理として学ぶべきものである」と識者は申しています。全くそのとおりだと思います。

初版がこのほど品切れとなりましたので、再版することになりました。ちょっと間違いのところや補足したりして、多少変更いたしました。どうぞ以前にも増してご利用のほどお願いいたします。

昭和五十七年正月
南波

織田流煎茶道は織田有楽斎を茶祖とし、現家元で十六代を数えます。織田有楽斎は織田信長の弟で、国宝になっている茶室「如庵」を作ったことでも知られている大名茶人です。東京の有楽町は、有楽斎の江戸屋敷があったところから名付けられたものです。有楽斎の茶は、抹茶は「有楽流」、煎茶は「織田流」として現代に伝えられています。織田流煎茶道は、有楽の大名茶の流れを汲んで、格調の高さと優美さを特色としていますが、抹茶の影響も多分に受けており、煎茶各流派の中でも独自の位置を占めております。江戸時代から「有楽の茶は、客をもてなすをもって本義となす」と評されており、その有楽の心を受けて、織田流にはつぎの三つの口伝が伝えられています。

一、相手に窮屈な思いをさせぬこと

一、相手に恥を掛かせないこと

一、相手に満足感を与えること

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